「リリカ」「ボルタレン」「ロキソニン」の使い分け

よくある身体のお悩みについて
尼崎市阪急塚口徒歩2分『ルルド鍼灸』

その3つは痛み止め界の三銃士。似てるようで、実は“守備範囲”も“武器の種類”もぜんぜん違う。
それぞれの特徴を分かりやすく整理してみよう。


🟣 リリカ(一般名:プレガバリン)

タイプ:神経痛専門の鎮痛薬(神経の過敏を抑える)

  • 仕組み:脳や脊髄の神経が“ピリピリ誤作動”しているのを鎮める。
    要は「神経の過剰な電気信号を弱める」タイプ。
  • 得意分野:帯状疱疹後神経痛、坐骨神経痛、糖尿病性神経障害など。
    ⇒「ズキズキ・ビリビリ・焼けるような痛み」に強い。
  • メリット
    ・神経痛に抜群の効果。
    ・NSAIDs(ロキソニンやボルタレン)のように胃を荒らさない。
  • デメリット
    ・眠気・ふらつき・体重増加・むくみが出ることがある。
    ・即効性はなく、効いてくるまで数日~1週間かかる。
    ・腎機能が悪い人は注意。

🔵 ボルタレン(一般名:ジクロフェナク)

タイプ:NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)界の“切れ味最強クラス”

  • 仕組み:炎症の原因になる「プロスタグランジン」をブロックして、痛み・熱・腫れを抑える。
  • 得意分野:強い炎症痛(ぎっくり腰、手術後、歯痛、生理痛など)。
  • メリット
    ・効き目が強く、持続時間も長い。
    ・座薬・テープ・飲み薬など多様な形で使える。
  • デメリット
    ・胃を荒らす、腎臓への負担、血圧上昇など副作用がやや重め。
    ・高齢者や心・腎・肝に問題がある人は要注意。
    ・長期使用には向かない。

🟢 ロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)

タイプ:NSAIDs界の“バランス型優等生”

  • 仕組み:ボルタレンと同じくプロスタグランジン抑制。
    ただし「前駆体型(プロドラッグ)」なので胃に優しい。
  • 得意分野:頭痛、歯痛、筋肉痛、生理痛、発熱など日常的な痛みに広く対応。
  • メリット
    ・即効性があり、効きが安定している。
    ・ボルタレンより胃への負担が軽め。
    ・市販薬としても使いやすい。
  • デメリット
    ・強い炎症にはボルタレンに劣る。
    ・空腹時に飲むと胃を荒らすことがある。
    ・長期使用で腎・胃のトラブルリスクはやはりある。

⚖️ 使い分けのざっくり目安

  • 神経痛系(ビリビリ・ジンジン)→リリカ
  • 炎症系で強めの痛み(手術後・腰痛・関節炎)→ボルタレン
  • 日常的な痛み(頭痛・生理痛・軽い関節痛)→ロキソニン

💬 まとめると

  • リリカは「神経そのものを鎮めるスナイパー」
  • ボルタレンは「炎症を力でねじ伏せるハンマー」
  • ロキソニンは「汎用性の高い万能ナイフ」

痛みの性質を見極めて薬を選ぶのがポイント。
同じ“痛み止め”でも、神経性か炎症性かでまったく効く領域が違う。
ここを間違えると「全然効かない…」ということになる。

では、日常や臨床でよく出会う痛みをいくつかのタイプに分けて、どの薬がフィットするかをざっくり見ていこう。


🦵 坐骨神経痛・帯状疱疹後の痛み

リリカ(プレガバリン)

  • 痛みの正体は「神経の誤作動」。
  • チクチク、ビリビリ、焼けるような痛みが続くタイプ。
  • 炎症ではなく“神経の暴走”なので、ロキソニンやボルタレンは効きづらい。
  • ただし即効性はないから、じわじわ効いてくる。

🦴 腰痛・ぎっくり腰・関節炎・腱鞘炎

ボルタレン or ロキソニン

  • 炎症(筋肉や関節の腫れ・熱)が痛みの原因。
  • 「動かすとズキッ」「押すと痛い」「腫れてる」ならNSAIDs系。
  • 痛みが強い/腫れが目立つ → ボルタレン
  • 日常生活レベル/軽中等度の痛み → ロキソニン

😣 頭痛(緊張型・軽い偏頭痛)

ロキソニン

  • 筋緊張や血管拡張による炎症が主。
  • ロキソニンの速効性が活きる。
  • ボルタレンは効くが、頭痛で使うほど強い薬ではない。

(※偏頭痛の重いタイプには「トリプタン系」という別ジャンルの薬が本来の主役)


😬 歯痛・抜歯後の痛み

ボルタレン(強) or ロキソニン(中)

  • 炎症が強く、拍動痛(ズキズキ)が出やすい。
  • 手術後など強い痛みにはボルタレン、
    通常の歯痛や軽度の術後痛ならロキソニンで十分。

♀ 生理痛

ロキソニン

  • 子宮内の炎症性物質(プロスタグランジン)が原因。
  • ロキソニンが直接その物質を抑える。
  • ボルタレンも効くが、副作用の面でロキソニンが扱いやすい。

🤕 手術後・骨折など「ズドン」と重い痛み

ボルタレン

  • 強力な鎮痛と抗炎症が必要なケース。
  • 医療現場でも「痛みが激しい場合の切り札」として使われる。
  • ただし長期使用は避ける(胃・腎リスク)。

🔥 神経痛+炎症が混ざってるケース(たとえば椎間板ヘルニア)

リリカ+ロキソニン or ボルタレンの併用

  • ヘルニアは“炎症で神経が圧迫されて痛い”という複合パターン。
  • 炎症を鎮めるNSAIDs+神経の過敏を抑えるリリカを組み合わせると、
    両方向から痛みを叩ける。

💬 まとめると

痛みのタイプ主な薬
ビリビリ・焼ける(神経)リリカ
ズキズキ・腫れてる(炎症)ボルタレン or ロキソニン
弱い痛み・日常的な痛みロキソニン
強烈な痛みボルタレン
神経+炎症リリカ+NSAIDs併用

痛みは「神経」「炎症」「筋肉緊張」「心理的要素」などが複雑に絡む。
だから、どのスイッチが痛みを起こしてるかを見極めるのがカギ。

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