「空腹」こそ最強のクスリ

ルルド鍼灸ロゴ 人体に纏わるホンマでっか?
ルルド鍼灸ロゴ

青木厚(あおき あつし)著『「空腹」こそ最強のクスリ』は、食事を減らすことで健康や体力を高め、病気を予防・改善できるという理論を基に書かれたベストセラー本です。著者は内科医として多くの患者を診察する中で、「空腹状態」が持つ驚くべき力に気づき、この本で具体的な方法や理論を解説しています。以下、内容を詳しくわかりやすく説明します。


本書の基本的な考え方

  1. 現代人の「食べ過ぎ」が問題
  • 食べ過ぎや頻繁な間食は、肥満や生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂肪肝など)の原因になる。
  • 空腹を避けるような食習慣は、体に常にインスリン(血糖値を下げるホルモン)を分泌させ、体を疲弊させる。
  1. 「空腹」の力で健康になる
  • 空腹になると体が「オートファジー(自食作用)」を活性化させ、細胞の修復と再生を始める。
  • 空腹が体内の余分な脂肪や老廃物を分解し、免疫力を高める。
  • 空腹時間を作ることで、体が本来持つ自己治癒力を最大限に引き出す。
  1. 「空腹」がもたらす主な効果
  • ダイエット効果: 脂肪が効率よく燃焼される。
  • 病気の予防・改善: 生活習慣病や慢性炎症が抑えられる。
  • 若返り: 細胞の修復が進み、アンチエイジング効果が期待できる。

具体的な実践方法

  1. 16時間断食(プチ断食)
  • 1日24時間のうち、16時間は何も食べない「空腹時間」を作る。
  • 残り8時間の間に1~2回食事を摂る(例: 昼12時と夜8時)。
  • 空腹時間中は水、お茶、ブラックコーヒーなどカロリーのない飲み物のみ可。
  1. 食事内容の工夫
  • 断食後の食事は、栄養価が高く消化に優しいものを心がける。
  • 野菜、良質なタンパク質(魚、鶏肉など)、発酵食品(味噌、ヨーグルト)を取り入れる。
  • 炭水化物や糖分は控えめにする。
  1. 空腹を楽しむ心構え
  • 最初は空腹感が辛いと感じるが、体が慣れるとむしろ軽快さを実感できる。
  • 空腹を「健康への時間」と前向きに捉える。

空腹が健康に与える科学的根拠

  1. オートファジーの活性化
  • 空腹になると細胞が自ら老廃物を分解し、エネルギーとして再利用する。
  • ノーベル賞受賞の大隅良典博士の研究によって注目された仕組み。
  1. インスリン感受性の向上
  • 食事回数を減らすとインスリンの分泌が減り、血糖値が安定する。
  • 糖尿病予防や改善に役立つ。
  1. 腸内環境の改善
  • 空腹時間を作ることで腸が休まり、腸内細菌のバランスが整う。
  • 消化器官の負担が減り、免疫力が向上。

「空腹」のもたらす主な効果

  1. ダイエット
  • 自然と体脂肪が減少し、健康的な体重を維持できる。
  • 筋肉を減らさずに痩せる効果がある。
  1. 慢性病の改善
  • 高血圧や脂肪肝の改善、さらにはがん予防にもつながる。
  1. 精神的な安定
  • 空腹を「コントロールできる」経験を通じてストレスが軽減し、精神的な余裕が生まれる。

注意点

  • 体調を見ながら行うこと
  • 初めて断食をする場合は無理せず、自分のペースで慣らす。
  • 持病がある人や妊娠中の女性、成長期の子どもは医師に相談の上で行う。
  • 水分補給を忘れない
  • 空腹時間中は水分をこまめに摂取して体の代謝を保つ。
  • 極端な断食は避ける
  • 長期間の過度な断食は栄養不足につながるため、16時間断食を基本にする。

この本を読んで得られること

『「空腹」こそ最強のクスリ』は、食事回数を減らすことの利点を科学的根拠に基づいて解説し、実践しやすい方法を提示しています。著者の経験や成功例も多く紹介されており、体調を整えたい人や生活習慣病の予防を目指す人にとって、非常に実用的なガイドブックです。

健康の基本は食事にあるという考え方に気づき、「空腹」という新たな視点で日々の生活を見直すきっかけになるでしょう。

コメント