パニック障害の症状、発症の理由、対応・治療法(特に鍼灸)について
1. パニック障害の症状
パニック障害とは、特に明確な理由がないのに突然強い不安や恐怖に襲われ、以下のような身体症状が出る病気です。
主な症状
✅ パニック発作(急激な不安・恐怖)
- 突然、強い恐怖や不安を感じる
- 数分〜30分程度続き、自然に治まることが多い
✅ 身体症状(自律神経の乱れ)
- 動悸・心拍数の増加
- 息苦しさ・過呼吸
- めまい・ふらつき
- 手足のしびれ
- 冷や汗・ほてり
- 胃の不快感・吐き気
✅ 予期不安
- 「また発作が起こるのでは?」という恐怖を感じる
- それにより外出や公共交通機関の利用を避けるようになる
✅ 広場恐怖
- 発作が起きたときに「逃げられない場所や状況(電車・エレベーター・会議室など)」を避けるようになる
2. 発症の理由(原因)
パニック障害の明確な原因は解明されていませんが、以下の要因が関係すると考えられています。
① 脳内の神経伝達物質の異常
- セロトニンやノルアドレナリンのバランスが崩れると、過剰に不安を感じやすくなる
② 自律神経の乱れ
- 交感神経(興奮)と副交感神経(リラックス)のバランスが崩れ、発作が起こりやすくなる
③ 心理的・環境的ストレス
- 強いストレス(仕事、家庭、人間関係)
- トラウマや過去の辛い経験
④ 遺伝的要因
- 家族にパニック障害や不安障害の人がいると発症リスクが高まる
⑤ 身体的要因(ホルモン・体調)
- 低血糖、甲状腺機能異常、更年期障害などが関係する場合もある
3. 対応・治療法
パニック障害の治療には、西洋医学的な治療と**東洋医学的な治療(鍼灸)**の両方があります。
① 西洋医学の治療
✅ 薬物療法(抗不安薬・抗うつ薬)
- SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
- セロトニンを増やし、不安を抑える(例:パロキセチン、セルトラリン)
- ベンゾジアゼピン系抗不安薬(即効性があるが依存に注意)
- 発作時の頓服として使われることが多い(例:アルプラゾラム、ロラゼパム)
✅ 認知行動療法(CBT)
- 「発作=危険ではない」と脳に学習させる訓練
- 呼吸法やリラクゼーション法を実践
② 鍼灸による治療
パニック障害に対して、鍼灸は自律神経を整える効果が期待できます。
✅ 鍼灸のメリット
- 副作用が少ない
- 自律神経を調整し、ストレスを軽減
- 血流を改善し、緊張をほぐす
- 継続的に施術することで、体質改善につながる
✅ 効果が期待できるツボ
以下のツボを刺激すると、不安や動悸を鎮めるのに効果的です。
- 内関(ないかん)(手首の内側、心を落ち着かせる)
- 神門(しんもん)(手首の小指側、リラックス効果)
- 百会(ひゃくえ)(頭頂部、自律神経の調整)
- 太衝(たいしょう)(足の甲、ストレス緩和)
- 足三里(あしさんり)(膝下、胃腸を整え精神安定)
✅ 鍼灸の治療頻度
- 初めは週1~2回、症状が落ち着いたら月2~3回
- 3~6か月継続すると効果を実感しやすい
4. 日常生活での対策
鍼灸や薬物療法と合わせて、日常生活でも以下の習慣を意識すると改善が早まります。
① 深呼吸・呼吸法
- ゆっくりと4秒吸って、7秒止めて、8秒かけて吐く(4-7-8呼吸法)
② 規則正しい生活(睡眠・食事)
- 早寝早起きで自律神経を整える
- カフェインやアルコールを控える
③ 軽い運動
- ウォーキングやストレッチでリラックス
④ ストレス管理
- 瞑想やマインドフルネスを取り入れる
- 趣味やリラックスできる時間を確保
5. まとめ
✅ パニック障害は、突然の強い不安や身体症状(動悸・息苦しさなど)が特徴
✅ 原因は脳内神経伝達物質の異常・ストレス・自律神経の乱れなど
✅ 治療法は、薬物療法・認知行動療法・鍼灸療法などがある
✅ 鍼灸は副作用が少なく、自律神経を整えてストレスを軽減するのに効果的
✅ 日常生活での呼吸法・運動・ストレス管理が改善のカギ
パニック障害は適切な治療と生活習慣の見直しで克服できる病気です。無理せず、自分に合った方法で少しずつ改善していきましょう!
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