幸せになる勇気

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アドラー心理学をテーマにした「嫌われる勇気」の続編である「幸せになる勇気」(著:岸見一郎、古賀史健)は、前作に引き続き哲学者と青年の対話形式で書かれています。本書では、アドラー心理学の核心である「共同体感覚」や「自己決定」の考え方を深く掘り下げ、幸せとは何か、そして幸せを実現するためにはどうすればよいのかを探求しています。

以下に要点をまとめます。


1. 幸せの定義

  • 幸せとは、他者との「良好な人間関係」の中に存在する。
  • アドラー心理学では、個人の幸福は社会とのつながりや貢献感によって得られると考える。
    共同体感覚が鍵となる。

2. 共同体感覚

  • 共同体感覚とは、自分が社会の一員であり、他者とつながり、他者に貢献しているという感覚。
  • 自分の価値は「他者との関係性」や「社会における役割」を通じて実感される。

共同体感覚を育むための要素:

  1. 自己受容
    自分をそのまま受け入れる。欠点や短所も含め、自分を無条件で肯定する。
  2. 他者信頼
    他者を信じ、相手が自分を裏切るかもしれないリスクを受け入れる。
  3. 他者貢献
    他者に対して価値ある行動を取る。見返りを期待せずに行動する。

3. 自由と責任

  • 自由とは、他者から認められるために自分を変えるのではなく、自分らしく生きること。
  • しかし、自由には責任が伴う。他者と協調する中で、自分の行動の結果に責任を持つ必要がある。

→ 自由な人生を生きるには、「承認欲求」から解放されなければならない。


4. 教育と幸せ

  • 幸せになるには、「教える側」と「教えられる側」の関係が重要である。
  • 教育の本質は「上下関係」ではなく、対等な関係に基づくものであるべき。
  • 教師や親が子どもをコントロールしようとすると、相手の成長を妨げてしまう。

教育で大事なこと:

  • 子どもを信じ、自由にさせる勇気を持つ。
  • コントロールせず、子どもの自己決定を尊重する。

5. 幸せになる勇気

  • 幸せになるためには、自分が共同体感覚を持ち、他者に貢献することが不可欠。
  • 他者からの評価を恐れたり、自分の弱さを認めないままでは、幸せは得られない。
  • 幸せを選ぶためには、「他者との関係を恐れない勇気」と「変化する勇気」が必要。

結論

「幸せになる勇気」は、自己中心的な「孤立した幸せ」ではなく、他者とのつながりの中で得られる共同体感覚を通じて実現されると強調しています。そして、そのためには「自由」「責任」「他者貢献」という視点を持ち、自己変革を恐れないことが重要だと説いています。

本書を通じて、アドラー心理学が提案する「幸せ」とは、「他者とともに生きること」そのものだと改めて気付かされます。

「幸せになる勇気」(著:岸見一郎、古賀史健)

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