百日咳(ひゃくにちぜき)とは?
百日咳は 百日咳菌(Bordetella pertussis) という細菌によって引き起こされる感染症で、特に 乳幼児 にとって重症化しやすい病気です。名前の通り 「100日間続くような激しい咳」 が特徴的な症状として現れます。
1. 百日咳の症状
百日咳は 3つの段階 に分かれます。
① カタル期(1~2週間)
- 風邪のような 軽い咳、鼻水、微熱 などが見られる
- 症状が軽いため、風邪と見分けがつきにくい
② 痙咳期(2~6週間)
- 発作性の激しい咳(特に夜間に多い)
- 「ヒュー」と音を立てる 息を吸う動作(笛吹き様呼吸)
- 顔が赤くなる・涙が出る・嘔吐することも
- 赤ちゃんの場合、咳の発作中に 呼吸が止まる(無呼吸発作) ことがある
③ 回復期(数週間~数ヶ月)
- 咳の発作が徐々に減る
- ただし、完全に治るまで 長期間 かかることがある
2. 百日咳の感染経路
- 感染者の 咳やくしゃみの飛沫 による 飛沫感染
- 直接接触(感染者の手を介して口や鼻に触れるなど)
特に 5歳未満の乳幼児 や ワクチン未接種の人 は感染しやすく、重症化するリスクが高いです。
3. 百日咳の診断と検査
- PCR検査(鼻咽頭ぬぐい液の検査)
- 血液検査(百日咳菌に対する抗体の測定)
- 細菌培養検査(確定診断には時間がかかる)
4. 百日咳の治療
① 抗菌薬(抗生物質)
- マクロライド系抗生物質(クラリスロマイシン、エリスロマイシン、アジスロマイシンなど)が有効
- 早期に治療を開始すると 症状の進行を抑えられる
② 対症療法
- 咳止め薬は効果が薄い ため、使用されないことが多い
- 加湿 して気道を保護する
- 十分な水分補給 を心がける
⚠ 乳幼児の場合、入院が必要になることもある
5. 百日咳の予防
① ワクチン接種
百日咳は 予防接種 で予防できます。
定期接種(DPT-IPVワクチン:四種混合)
- 1期:生後3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、1歳半(計4回)
- 追加接種:小学校入学前(5~6歳)
- 任意接種:11歳頃に「三種混合ワクチン(DTaP)」の追加接種を推奨
⚠ 赤ちゃんは生後3ヶ月まで免疫がないため、周囲の人(親・兄弟・祖父母など)の予防接種も重要!
② 感染者との接触を避ける
- 感染者がいる場合は マスク着用 や 手洗い を徹底
- 発症後 5日間は感染力が強い ため、登園・登校・職場への出勤は控える
6. 百日咳の流行状況
- 乳幼児に多いが、最近は大人の感染も増えている
- ワクチン効果が時間とともに低下するため、成人でも感染することがある
- 家族内感染が多く、特に赤ちゃんに感染させないことが重要
7. まとめ
✅ 百日咳は 百日咳菌 による 細菌感染症 で、激しい 発作性の咳 が特徴
✅ 乳幼児 は重症化しやすく、特に 生後6ヶ月未満の赤ちゃん は注意が必要
✅ ワクチン接種(DPT-IPV) が最も効果的な予防法
✅ 早期に抗菌薬治療を開始 すると症状の悪化を防げる
✅ 大人も感染することがあるため、家族全員の予防が大切
何か具体的なことが知りたい場合は、気軽に聞いてください!
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