睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)は、寝ている間に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりする病気です。自分では気づきにくいものの、放置すると心血管疾患のリスクを高めるだけでなく、日中の強い眠気が重大な事故につながる恐れもあります。
詳しく、かつ分かりやすく解説します。
💤 1. 睡眠時無呼吸症候群の主な症状
自分自身で気づく症状と、家族など周りの人が気づく症状に分かれます。
- 寝ている間(家族が気づくことが多い)
- 激しいいびき(特に、いびきが突然止まり、数秒後に「ガッ!」と再開する)
- 呼吸が止まっている、または苦しそうに呼吸している
- 何度も目が覚める、寝返りが多い
- 起きた時・日中(本人が感じる症状)
- 朝起きた時に頭が重い、痛い
- しっかり寝たつもりでも熟睡感がない
- 日中に強い眠気がある(会議中や運転中など)
- 集中力の低下、だるさ
🔍 2. 種類とメカニズム
大きく分けて2つのタイプがあります。
| タイプ | 特徴と原因 |
| 閉塞性(OSA) | 最も多いタイプ。 喉の周りの筋肉の緩み、肥満による脂肪、顎が小さいことなどが原因で、空気の通り道(気道)が物理的に塞がってしまう。 |
| 中枢性(CSA) | 脳からの「呼吸しろ」という指令がうまく伝わらないタイプ。心不全や脳血管疾患がある方に見られることが多い。 |
🏥 3. 診断方法
まずは医療機関(睡眠外来、耳鼻咽喉科、内科など)を受診します。
- 問診・スクリーニング: 眠気の度合いを測る問診票(エプワース眠気尺度)など。
- 簡易検査(自宅): 鼻に呼吸センサー、指に血中酸素を測るセンサーを付けて寝るだけの簡単な検査。
- 精密検査(PSG検査): 1泊入院して、脳波や心電図、胸の動きなどを詳しく解析します(最近は自宅でできる精密検査もあります)。
💊 4. 治療法
症状の重さに合わせて選択されます。
- CPAP(シーパップ)療法:最も一般的な治療法です。マスクから加圧された空気を送り込み、気道を広げたままにします。
- マウスピース(スリープスプリント):下顎を少し前に出すように固定し、喉のスペースを広げます。軽症〜中等症に有効です。
- 手術:扁桃肥大や鼻の疾患(鼻中隔湾曲症など)が原因の場合、外科的に通り道を広げることがあります。
🍎 5. 予防と生活習慣の改善
治療と並行して行うことで、症状が劇的に改善することがあります。
- 減量: 首周りの脂肪が減ると気道が広がります。
- 横向きに寝る: 仰向けは舌の根元が落ち込みやすいため、抱き枕などを使って横向きを維持します。
- アルコールを控える: お酒は筋肉を緩ませ、無呼吸を悪化させます(特に寝る前)。
- 禁煙: 喉の炎症やむくみを抑えるために有効です。
💡 重要なポイント
無呼吸の状態が続くと、血中の酸素が不足し、心臓が必死に血液を送ろうとするため、高血圧、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病などのリスクが数倍に跳ね上がります。「ただのいびき」と放置せず、早めの受診が大切です。
もし心当たりがある場合、まずは**ご自宅でできる「いびき録音アプリ」**などを使って、ご自身の睡眠中の音を確認してみるのも一案です。


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