睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は「寝ている間に呼吸が何度も止まる病気」、単なるいびきの延長ではなく、放置すると寿命にも関わる病気。
まず何が起きているの?
寝ている間に
- 呼吸が10秒以上止まる(無呼吸)
- 呼吸が浅くなる(低呼吸)
これが1時間あたり5回以上起こる状態をいう。
重症になると、
- 1時間に30回以上
- 一晩で数百回
呼吸が止まることもある。
例えば、
「スースー…グガァァァッ!……(20秒無音)……ガッ!!」
みたいな状態を何百回も繰り返している。
本人は寝ているつもりでも、脳は何度も起こされている。
なぜ呼吸が止まるの?
大きく2種類。
①閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)
圧倒的に多い。
寝ると
- 舌
- 軟口蓋(のどちんこの奥)
が落ち込み、
気道が塞がる。
イメージは、
「ストローを指でつぶした状態」
空気が通れなくなる。
②中枢性睡眠時無呼吸(CSA)
脳が呼吸の指令を出さない。
これは
- 心不全
- 脳疾患
などで起こる。
比較的まれ。
どんな人がなりやすい?
肥満
最大の危険因子。
首周りに脂肪が付くと、
気道が狭くなる。
顎が小さい
日本人に多い。
太ってなくてもなる。
- 下顎後退
- 小顔
の人は要注意。
男性
女性より多い。
ただし閉経後の女性も増える。
飲酒
アルコールで筋肉が緩み、
のどが潰れやすくなる。
症状
夜
- 大いびき
- 呼吸停止
- 寝汗
- 夜間頻尿
- 何度も目が覚める
昼
- 強烈な眠気
- 集中力低下
- 頭痛
- 倦怠感
本人より家族が気づく
よくあるのが
奥さんや家族に
「息止まってたで」
と言われて発覚するケース。
本人は気付いていない。
なぜ危険なの?
呼吸が止まるたびに
血液中の酸素が減る。
すると身体は
「死ぬかもしれん!」
と勘違いして、
アドレナリンを大量放出する。
これを毎晩何百回も繰り返す。
起こりやすくなる病気
高血圧
かなり関係が深い。
治りにくい高血圧の原因になる。
心筋梗塞
心筋梗塞
リスク増加。
脳卒中
脳卒中
リスク増加。
不整脈
特に
心房細動
との関連が強い。
糖尿病
2型糖尿病
インスリン抵抗性が悪化する。
運転事故との関係
実はこれが怖い。
重症患者は、
居眠り運転事故のリスクが数倍になる。
新幹線やトラック運転手の事故で話題になることもある。
診断方法
簡易検査
自宅で
- 指
- 鼻
にセンサーを付けて寝る。
精密検査
睡眠ポリグラフ検査(PSG)
脳波や呼吸を一晩測定する。
診断のゴールドスタンダード。
重症度
AHI(無呼吸低呼吸指数)で判断。
軽症
5~15
中等症
15~30
重症
30以上
重症だと1時間に30回以上呼吸が止まる。
治療
①CPAP
最も有名。
CPAP
鼻マスクから空気を送り込み、
気道を押し広げる。
重症なら第一選択。
②減量
肥満型なら非常に効果的。
体重10%減で大きく改善することもある。
③横向き寝
仰向けより改善する人もいる。
④マウスピース
下顎を前へ出す。
軽症~中等症向け。
鍼灸との関係
鍼灸で
- 無呼吸そのものを治す
という強い根拠はまだ十分ではない。
ただし、
- 首肩の緊張緩和
- 鼻づまり改善
- 睡眠の質向上
- ストレス軽減
などの補助的な効果を感じる人はいる。
セルフチェック
次のうち3つ以上あれば要注意。
- 大いびきをかく
- 呼吸が止まると言われる
- 昼間眠い
- 朝頭痛がある
- 高血圧がある
- 夜中に何度もトイレへ行く
- BMI25以上
- 首が太い
- 仰向けでいびきがひどい
特に
「呼吸が止まると言われた」
これはかなり重要なサイン。


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