眼精疲労

ルルド鍼灸
カダ先生

眼精疲労に対する鍼灸治療は、現代人の目の酷使による疲れや不調を改善するのに効果的な方法の一つです。ここでは、鍼灸治療の具体的な方法や**そのメカニズム(なぜ効果があるのか)**について詳しく解説します。


① 眼精疲労とは?

眼精疲労(がんせいひろう)は、長時間のパソコン作業、スマホの使用、読書などで目を酷使することで発生する疲れや不調のことです。
単なる「目の疲れ(眼疲労)」とは異なり、休息を取っても回復しにくく、頭痛や肩こり、めまいなどの全身症状を伴うことが特徴です。

主な原因:

  • 目の筋肉(毛様体筋)の過度な緊張
  • 眼周囲の血流不良
  • 自律神経の乱れ
  • ドライアイ
  • ストレス
  • 姿勢の悪さ

② 鍼灸治療の効果とメカニズム

鍼灸は、東洋医学の「気・血の流れ」を整えることで、筋肉の緊張をほぐし、血流を改善し、自律神経を調整する作用があります。

鍼灸が眼精疲労に効くメカニズム

  1. 血流改善
    • 目の周囲や首・肩に鍼を打つことで、血管が拡張し、酸素や栄養が行き届きやすくなる。
    • 筋肉の緊張が取れ、老廃物の排出が促進される。
  2. 筋肉の緊張を緩和
    • 目のピント調整に関わる毛様体筋や眼輪筋の緊張を緩める。
    • これにより、ピントが合いやすくなり、目の疲れが取れる。
  3. 自律神経の調整
    • 眼精疲労は交感神経が過剰に働きすぎることで悪化するため、鍼灸によって副交感神経を優位にし、リラックス効果を促す。
  4. ストレスの緩和
    • 鍼刺激によってエンドルフィン(鎮痛作用のあるホルモン)が分泌され、ストレスが軽減。
  5. ツボ刺激による全身調整
    • 目の不調だけでなく、肩こりや頭痛など関連症状にもアプローチ。

③ 眼精疲労に効く鍼灸治療法

1. 目の周囲のツボに鍼を打つ

目の周りには多くのツボがあり、これらを刺激することで血流を改善し、目の疲れを取ることができます。

代表的なツボ

ツボ名場所効果
攅竹(さんちく)眉頭のくぼみ目の疲れ、頭痛改善
太陽(たいよう)こめかみ目の充血、頭痛、ストレス緩和
睛明(せいめい)目頭のくぼみ視力回復、目のかすみ改善
承泣(しょうきゅう)目の下のくぼみ目のむくみ、疲労回復

施術方法

  • 0.2mm程度の細い鍼を使い、軽い刺激を加える。
  • 刺激が強すぎると逆効果なので、ソフトな手技で施術。

2. 首・肩・背中のツボに鍼を打つ

目の疲れは首や肩の血流の悪化と関連しているため、首肩周りの筋肉のコリをほぐすことが重要です。

代表的なツボ

ツボ名場所効果
天柱(てんちゅう)後頭部の髪の生え際首こり、目のかすみ
風池(ふうち)天柱の外側のくぼみ自律神経調整、血流改善
肩井(けんせい)肩の中央あたり肩こり、頭痛、血流促進

施術方法

  • コリが強い場合は、深めに刺す。
  • 温灸(お灸)を併用することで、さらに血流を促進。

3. 手足のツボを使う(遠隔治療)

目の疲れを取るには、手足のツボを刺激することで全身の気血の巡りを良くする方法も効果的。

代表的なツボ

ツボ名場所効果
合谷(ごうこく)親指と人差し指の間目の疲れ、頭痛、ストレス緩和
太衝(たいしょう)足の甲、親指と人差し指の間目の充血、肝の機能向上

施術方法

  • 鍼を軽く刺す、または指圧で刺激する。
  • 即効性があるため、セルフケアとしてもおすすめ。

4. お灸療法

目の疲れに対して、温熱効果のあるお灸を使うことで血流を促進し、深部のコリをほぐす。

お灸におすすめのツボ

  • 合谷(ごうこく)
  • 風池(ふうち)
  • 天柱(てんちゅう)

施術方法

  • もぐさ(艾)を使用し、じんわりと温める。
  • 火傷しないように適度な温度で施灸。

④ 鍼灸治療の頻度と注意点

治療頻度:

  • 軽度の眼精疲労週1回の施術を2〜3週間
  • 慢性化した眼精疲労週2回の施術を1ヶ月ほど継続
  • 予防目的月1〜2回のメンテナンス治療

注意点:

  • 施術後はしっかり水分補給をする。
  • 施術後すぐにPC・スマホの長時間使用を避ける。
  • 強い刺激は逆効果になるため、体調に合わせた施術が必要。

⑤ まとめ

眼精疲労に対する鍼灸治療は、血流を改善し、筋肉の緊張をほぐし、自律神経を整えることで根本的に改善する方法です。
特に、目の周囲のツボだけでなく、首肩や手足のツボも使うことで全身のバランスを整え、目の疲れを和らげます。

効果を最大限に引き出すためには、定期的な施術とセルフケア(ツボ押しやストレッチ)を併用するのがベスト!