安保徹博士の免疫学理論を解説します。
1. 自律神経と免疫の詳細な関係
安保博士の理論では、自律神経が免疫機能を直接コントロールしているとされます。
自律神経には 交感神経(緊張・活動時に働く)と 副交感神経(リラックス・休息時に働く)の2つがあります。
① 交感神経と免疫
交感神経は「戦う・逃げる(ファイト・オア・フライト)」の働きを持ち、ストレスを感じたときに活性化します。
このとき、アドレナリンやノルアドレナリンが分泌され、以下のような影響が出ます。
- 血管が収縮し、血圧が上昇
- 心拍数が増加
- 筋肉が緊張
- 白血球の中の「顆粒球」が増える
顆粒球の役割
- 主に 細菌感染(風邪や肺炎など)に対処する
- しかし、顆粒球が過剰になると 活性酸素を発生し、組織を傷つけ炎症を起こす
- 慢性的に交感神経が優位だと、炎症が続き、がんや自己免疫疾患のリスクが上がる
▶ 交感神経が過剰になったときの健康リスク
- がん(低酸素状態になると、がん細胞が増殖しやすくなる)
- 高血圧・動脈硬化(血管が収縮し、血流が悪化)
- 自己免疫疾患(リウマチ、潰瘍性大腸炎など)
- うつ病・不安障害(交感神経過剰による脳のストレス)
② 副交感神経と免疫
副交感神経は、「休息・回復・消化」の働きを持ち、リラックスしたときに優位になります。
このとき、アセチルコリンが分泌され、以下のような影響が出ます。
- 血管が拡張し、血流が良くなる
- 心拍数が低下し、リラックスする
- 消化吸収が促進される
- 白血球の「リンパ球」が増える
リンパ球の役割
- ウイルス感染やがん細胞を攻撃する
- しかし、リンパ球が過剰になると アレルギー反応を起こしやすくなる
▶ 副交感神経が過剰になったときの健康リスク
- アレルギー症状(花粉症、喘息、アトピーなど)
- 感染症にかかりやすい(過度なリラックスで免疫機能が鈍化)
2. 免疫バランスの乱れが病気を引き起こす
安保博士は、ほとんどの病気が 「交感神経と副交感神経のバランスの乱れ」 によって起こると考えました。
病気 | 交感神経優位(ストレス過多) | 副交感神経優位(リラックス過多) |
---|---|---|
がん | ◎(低酸素・低体温が原因) | △(軽度の影響) |
高血圧・動脈硬化 | ◎(血管収縮で発症) | △(軽度の影響) |
自己免疫疾患 | ◎(免疫暴走による) | △(軽度の影響) |
アレルギー(花粉症・喘息) | △(軽度の影響) | ◎(リンパ球過剰) |
うつ病・不眠症 | ◎(ストレスで神経が緊張) | △(軽度の影響) |
3. がんの発生メカニズムと改善策
安保博士は、「がん細胞は誰の体内にもあるが、健康な人は免疫ががんを抑え込んでいる」と述べています。
しかし、次のような原因で免疫が弱まると、がんが増殖しやすくなります。
がんが発生する要因
- ストレス過多 → 交感神経過剰 → 低酸素・低体温 → 免疫低下
- 食品添加物・化学物質(体に負担をかけ、活性酸素を増やす)
- 運動不足・血行不良(がん細胞は酸素が少ない環境を好む)
- 薬の多用(ステロイド・解熱剤の乱用は免疫を抑制する)
がんの予防・改善策
✅ 体を温める(体温が1℃上がると免疫力が5倍向上)
✅ 深呼吸をする(酸素を取り込むことで、がん細胞の増殖を抑制)
✅ 適度な運動をする(血流を良くし、酸素を全身に巡らせる)
✅ ストレスを減らす(副交感神経を優位にして免疫力を高める)
✅ 発酵食品・和食を食べる(腸内環境を整え、免疫を強化)
4. 健康維持のための具体的な生活習慣
安保博士は、**「薬に頼るよりも生活習慣を見直すことが大切」**と主張しました。
① 体を温める
- 入浴(42℃未満の温めの湯に15分ほど浸かる)
- 温かい飲み物を摂る(白湯、ショウガ湯など)
- 冷たい飲み物・食べ物を控える
② 適度な運動
- ウォーキングやストレッチを習慣化(過度な運動は逆効果)
- 呼吸を意識する(深呼吸で酸素を多く取り込む)
③ ストレス管理
- 深呼吸・瞑想(リラックスし、副交感神経を活性化)
- 趣味の時間を確保(リラックスする時間を作る)
④ 食生活の改善
- 発酵食品(納豆・味噌・ヨーグルト)
- 抗酸化食品(野菜・果物・海藻)
- 加工食品・砂糖を控える(体を冷やし、免疫を低下させる)
まとめ
安保徹博士の免疫学理論は、**「自律神経のバランスが免疫を決める」**という考え方が軸になっています。
病気の予防・改善のためには、交感神経と副交感神経のバランスを整えることが重要です。
- ストレスを減らす
- 体を温める
- 深い呼吸をする
- 食生活を整える
これらの習慣を意識することで、免疫力を高め、健康を維持できると考えられます。
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