火傷の応急処置は、火傷の深さや広さに応じて異なります。以下に、基本的な火傷の対処方法を詳しく解説します。
1. 火傷の基本的な応急処置(冷却と保護)
軽度の火傷(1度または浅い2度)
- 冷水で冷やす
- 火傷をした部位を速やかに流水(15~25℃)で15~30分間冷やします。
- 水道がない場合は、濡らした清潔なタオルや冷水を含ませたガーゼを当てて冷やします。
- 氷水や氷そのものは使用しない(皮膚が凍傷になる可能性があります)。
- 患部を清潔に保つ
- 火傷の部分を触らない。水ぶくれは破らないでください(感染のリスクがあります)。
- 汚れがある場合は、清潔な水や生理食塩水で軽く洗い流します。
- 乾燥・保護
- 火傷部分を清潔なガーゼや包帯で覆います。医療用の火傷パッドがある場合は、それを使用するとよいでしょう。
- 痛みの管理
- 痛みがある場合は、市販の鎮痛剤(アセトアミノフェンやイブプロフェン)を服用してもよいです。
2. 重度の火傷(深い2度以上、3度)
特徴的な症状
- 肌が白く、炭化したような見た目になる(3度)
- 痛みを感じない場合もある(神経が損傷しているため)
- 広範囲の水ぶくれや皮膚剥離
応急処置
- 速やかに救急車を呼ぶ(119番)
- 特に顔、関節、手足、生殖器に火傷がある場合、または広範囲(体表面積の10%以上)の場合は緊急事態です。
- 冷却
- 患部を冷水で軽く冷やしますが、広範囲の場合は冷やしすぎないように注意(体温低下によるショックの危険があります)。
- 衣服の除去
- 燃えている衣服はすぐに取り除きます。ただし、皮膚に貼り付いている場合は無理に剥がさないでください。
- 保護
- 火傷部分を清潔な布やガーゼで覆い、感染を防ぎます。
- 飲食を控える
- 病院に行くまで飲食は避けてください(必要に応じて麻酔処置や手術が行われる場合があるため)。
3. 特殊な火傷の対応
化学火傷
- 原因物質の除去
- 化学物質が付着している場合、できるだけ早く流水で20~30分洗い流します。
- 粉状の化学物質がある場合、乾いた布で軽く取り除いてから洗い流します。
- 適切な医療機関を受診
- 化学物質の成分を可能な限り把握して医師に伝えてください。
電気火傷
- 速やかに電源を切る。電源が切れない場合は触らない。
- 内部損傷の可能性が高いため、必ず救急車を呼び、医療機関で診察を受けます。
日焼け
- 冷やす
- 冷たいタオルや流水で冷却します。
- 保湿
- 火傷用のジェルやクリーム(アロエベラなど)を塗ります。
- 痛みの緩和
- 必要であれば、鎮痛剤を使用します。
4. 病院を受診すべきサイン
- 火傷の大きさが手のひら以上ある
- 顔、関節、手足、生殖器が火傷した
- 水ぶくれがひどい、または皮膚が剥がれている
- 発熱や悪寒がある(感染症の可能性)
- 感覚がない、または火傷部分が白く変色している
5. 日常生活での注意点
- 火傷の部位を直射日光にさらさない(色素沈着を防ぐため)。
- 火傷が治る過程で痒みがあっても掻かない。
- 傷跡予防には、医師の指示に従い保湿や専用の軟膏を使用。
安全第一で適切に対応し、必要に応じて医療機関に相談してください!
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