花粉症について

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尼崎市南塚口 ルルド鍼灸

花粉症とは?

花粉症は、スギやヒノキなどの花粉が原因で起こるアレルギー性鼻炎の一種です。免疫系が花粉を「異物」と誤認し、過剰に反応することで、くしゃみ・鼻水・鼻詰まり・目のかゆみなどの症状を引き起こします。


1. 花粉症の原因

花粉症の主な原因は、樹木や草花の花粉です。特に日本では以下の花粉が代表的です。

  • 春(2~5月):スギ、ヒノキ
  • 夏(5~8月):イネ科(カモガヤ、オオアワガエリなど)
  • 秋(8~11月):ブタクサ、ヨモギ

その他の要因:

  • 遺伝的要因:親がアレルギー体質の場合、発症リスクが高まる
  • 環境要因:大気汚染、食生活の欧米化、ストレス

2. 花粉症の発生機序(メカニズム)

  1. 感作(初期段階)
    • 花粉が体内に侵入
    • 免疫細胞(樹状細胞)が花粉を異物と認識
    • B細胞が花粉に対するIgE抗体を産生
    • IgE抗体が肥満細胞に結合(この段階では症状なし)
  2. 発症(再曝露)
    • 再び花粉が侵入すると、IgE抗体と結合した肥満細胞がヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質を放出
    • これにより炎症反応が起こり、くしゃみ・鼻水・鼻詰まり・目のかゆみが発生

3. 予防対策

① 花粉を避ける

  • マスクや眼鏡を着用:フィルター付きマスクやゴーグルで花粉の侵入を防ぐ
  • 外出を控える:特に花粉の多い日(晴れ・風が強い日)は外出を控える
  • 帰宅時の対策:衣服や髪に付着した花粉を払い落とし、すぐにシャワーを浴びる

② 室内対策

  • 空気清浄機の使用:HEPAフィルター付きの空気清浄機が効果的
  • 洗濯物の室内干し:外に干すと花粉が付着するため、室内干しや乾燥機を活用

③ 免疫力を高める

  • 腸内環境の改善:ヨーグルトや納豆などの発酵食品を摂取
  • バランスの良い食事:抗炎症作用のある食品(青魚、緑黄色野菜)を意識的に摂る
  • ストレス管理:ストレスはアレルギー症状を悪化させる

4. 有効な薬(西洋医学的アプローチ)

① 抗ヒスタミン薬(第一選択薬)

  • :アレグラ(フェキソフェナジン)、クラリチン(ロラタジン)、ザイザル(レボセチリジン)
  • 効果:くしゃみ・鼻水・目のかゆみを抑える

② ロイコトリエン受容体拮抗薬

  • :キプレス、シングレア(モンテルカスト)
  • 効果:鼻詰まりに効果的

③ ステロイド点鼻薬(最も効果的)

  • :ナゾネックス(モメタゾン)、フルナーゼ(フルチカゾン)
  • 効果:鼻詰まりを強力に抑える

④ 点眼薬(目のかゆみに対処)

  • :アレジオン(エピナスチン)、パタノール(オロパタジン)

⑤ 舌下免疫療法(根本治療)

  • スギ花粉エキスを少量ずつ服用し、体を慣らしていく治療
  • 3~5年の長期間治療が必要だが、約70%の人に効果あり

5. 鍼灸による治療(東洋医学的アプローチ)

① 鍼灸の基本的な考え方

東洋医学では、花粉症は「肺」「脾」「腎」の機能低下や「気の滞り」が関与していると考えます。鍼灸治療によってこれらの機能を改善し、免疫バランスを整えます。

② 花粉症に効果的なツボ

ツボ位置効果
迎香(げいこう)小鼻の横鼻づまり改善
印堂(いんどう)眉間中央目のかゆみ・鼻炎緩和
合谷(ごうこく)手の親指と人差し指の間免疫力向上、炎症抑制
風池(ふうち)首の後ろのくぼみ免疫調整、目のかゆみ改善
足三里(あしさんり)膝下外側体質改善、胃腸を整える

③ 鍼灸治療の具体的な方法

  • 顔・鼻周りの鍼:迎香や印堂に鍼を打ち、鼻詰まりを解消
  • 自律神経調整の鍼:合谷・風池などに鍼を打ち、免疫バランスを調整
  • 灸治療:足三里などにお灸をして、全身の免疫機能を高める

④ 効果の期待できる人

  • 薬を使いたくない人
  • 副作用が気になる人
  • 根本的に体質を改善したい人

6. その他の治療法(補完・代替医療)

① 漢方薬

漢方適応
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)鼻水・くしゃみが多いタイプ
葛根湯(かっこんとう)初期症状に効果的
五苓散(ごれいさん)むくみ・鼻詰まりがひどいタイプ
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)皮膚症状がある場合

② 食事療法

  • 甜茶(抗アレルギー作用)
  • 乳酸菌(ヨーグルト、納豆)(腸内環境を整える)
  • 青魚(DHA・EPA)(炎症を抑える)

まとめ

花粉症の原因:スギ、ヒノキなどの花粉+遺伝・環境要因
発生機序:免疫の過剰反応による炎症
予防対策:花粉を避ける、腸内環境を整える
有効な薬:抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ステロイド点鼻薬
鍼灸治療:迎香・合谷などのツボ刺激で症状緩和

「薬に頼らず、体質改善で治したい!」という人は、鍼灸や漢方の併用も検討すると良いでしょう。

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