五十肩(肩関節周囲炎)と腱板損傷は、どちらも肩に痛みを引き起こし、腕の動きに支障をきたしますが、原因や症状、治療方法が異なります。それぞれの特徴について詳しく説明します。
五十肩(肩関節周囲炎)
1. 原因:
五十肩は、肩関節周りの炎症によって肩の動きが制限される症状です。原因は明確ではない場合が多く、肩の筋肉や腱の慢性的な負担が影響していると考えられています。特に40〜60代に多く見られるため「五十肩」とも呼ばれます。
2. 症状:
五十肩では、初期に肩の痛みが出て、その後、肩の可動域が徐々に制限されていくことが一般的です。肩の前、横、後ろ、そして上方向の動きが制限されるため、腕を上げる、後ろに回す、などの日常の動作に支障が出ます。
特に肩関節を動かすときの痛みと、夜間に痛みが増すことが特徴です。
3. 治療:
治療としては、安静、湿布や痛み止めの服用、リハビリなどが主になります。関節の動きを保つためにストレッチや軽いエクササイズも行います。改善には数ヶ月から1年以上かかる場合もありますが、時間とともに治ることが多いです。
腱板損傷
1. 原因:
腱板損傷は、肩の「腱板」という筋肉と腱の集合体が損傷することで発生します。腱板は肩を動かす際に非常に重要な役割を果たしており、スポーツや日常の反復動作、加齢による劣化によって損傷しやすいです。特に肩を多く使う職業やスポーツ選手に多く見られます。
2. 症状:
腱板損傷では、肩に鋭い痛みが生じ、腕を上げたり回す動作が困難になります。痛みは動作時だけでなく、安静時にも感じられることが多いです。腱板損傷が進行すると、肩の筋力低下が起こり、物を持ち上げるなどの動作が難しくなります。
3. 治療:
腱板損傷の治療には、損傷の程度によって異なります。軽度の損傷の場合、リハビリ、痛み止めの服用、アイシングなどの保存療法が行われます。重度の損傷や保存療法が効果を示さない場合は、手術が選択されることもあります。
五十肩と腱板損傷の違いまとめ
項目 | 五十肩(肩関節周囲炎) | 腱板損傷 |
---|---|---|
原因 | 不明瞭(年齢や肩周囲の炎症が影響) | 加齢、反復動作、負荷などによる損傷 |
症状 | 肩の可動域が徐々に制限、夜間痛 | 鋭い痛み、動作困難、筋力低下 |
治療 | 保存療法(リハビリ、安静など) | 保存療法(リハビリ)、手術 |
五十肩は肩の可動域が徐々に狭くなるのが特徴で、時間とともに治る場合が多いのに対し、腱板損傷は早期発見と治療が重要で、場合によっては手術が必要になることがあります。
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