嫌われる勇気

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アドラー心理学をもとにしたベストセラー『嫌われる勇気』(著:岸見一郎、古賀史健)は、哲学的な対話形式で書かれ、幸福な人生を送るためのアプローチを示しています。以下に、その主な内容を要約します。


1. 目的論的思考

アドラー心理学では、人間の行動は「過去の原因」ではなく「現在の目的」に基づくと考えます。
たとえば、「トラウマ」は存在せず、人は自分の目的に沿って過去を解釈するのだと説明されます。


人が「私は失敗するのが怖いから挑戦できない」と言うとき、実際は「挑戦しない」という目的のために、恐怖を理由づけていると考えます。


2. 課題の分離

「他者の課題」と「自分の課題」を明確に分けることが重要だと説かれています。
他者の評価や感情はその人の課題であり、自分ではコントロールできません。そのため、自分の課題に集中し、他者の課題には干渉しないことが勧められます。


3. 承認欲求からの解放

「他者に認められること」を目標とすると、自己の価値を他者に依存してしまいます。幸福は「他者にどう見られるか」ではなく、「自分がどう生きるか」にかかっています。

勇気
他者に嫌われるリスクを受け入れてでも、自分の価値観や生き方を貫くことが「嫌われる勇気」です。


4. 共同体感覚

アドラー心理学では、人間の幸福は「共同体感覚」にあるとされます。
これは、自分が社会や他者の中で「貢献できる存在」であると感じることを指します。

具体例
他者との横のつながりを重視し、競争や優劣ではなく、協力と相互尊重を重んじること。


5. 今ここに生きる

人間の悩みはすべて「対人関係」に由来し、その解決には「今この瞬間」に焦点を当てることが重要とされています。過去や未来に縛られず、目の前の課題に向き合うことが幸福への道です。


『嫌われる勇気』は、読者に対して「自分の人生を変えるための実践的な考え方」を提供する一冊です。対話形式の軽やかな文体ながら、その内容は深く哲学的で、考え方を根底から揺さぶる力を持っています。

『嫌われる勇気』(著:岸見一郎、古賀史健)

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