六曜(ろくよう)は、日本の暦に記載される吉凶を示す指標の一つで、日によって運勢が異なるとされます。元々は中国発祥の占いですが、日本では特に冠婚葬祭の予定を決める際に重視されることが多いです。
六曜の基本
六曜は以下の6種類があり、それぞれの意味と吉凶が異なります。
1. 先勝(せんしょう・さきがち)
- 意味:「先んずれば勝つ」=早めの行動が吉
- 吉凶の特徴:午前は吉、午後は凶
- 適した行動:
- 重要な仕事や契約は午前中に済ませるとよい
- 結婚式も午前中なら良い
- 避けるべきこと:
- 午後の勝負事や交渉事は避ける
2. 友引(ともびき)
- 意味:「友を引く」=運勢が友に影響を及ぼす
- 吉凶の特徴:
- 朝と夕方は吉、正午は凶
- 適した行動:
- 結婚式やお祝い事に向いている
- 友達や仲間と何かを始めるとよい
- 避けるべきこと:
- 「友を引く」とされるため、葬式を避ける(火葬場も休みになることが多い)
3. 先負(せんぷ・さきまけ)
- 意味:「先んずれば負ける」=焦らず慎重に行動すべき
- 吉凶の特徴:
- 午前は凶、午後は吉
- 適した行動:
- 午後に物事を進めると良い
- 交渉や契約は午後が良い
- 避けるべきこと:
- 午前中の勝負事や急な決断
4. 仏滅(ぶつめつ)
- 意味:「仏も滅するほどの大凶日」=六曜の中で最も凶とされる
- 吉凶の特徴:
- 終日凶
- 適した行動:
- 静かに過ごす
- 新しいことを始めるより、準備期間にする
- 避けるべきこと:
- 結婚式、開業、契約などの重要なこと
- お祝いごと全般
5. 大安(たいあん)
- 意味:「大いに安し」=六曜の中で最も吉の日
- 吉凶の特徴:
- 終日吉
- 適した行動:
- 結婚式、入籍、開業、引っ越しなど
- 何をするにも良い日
- 避けるべきこと:
- 特になし(ただし他の占いと組み合わせる人もいる)
6. 赤口(しゃっこう・せきぐち)
- 意味:「赤舌日(しゃくぜつにち)」が転じたもの、火や血に関する不吉な日
- 吉凶の特徴:
- 午前11時~午後1時(正午前後)のみ吉、それ以外は凶
- 適した行動:
- 火や刃物を扱わない
- 吉の時間帯(11時~13時)に用事を済ませる
- 避けるべきこと:
- 結婚式、勝負事、手術、契約など
六曜の循環の仕組み
六曜は、単純な曜日のように決まっているのではなく、旧暦(太陰暦)の日付と対応して繰り返されます。
- 旧暦の1日が「先勝」
- 以降、六曜が順番に繰り返される(先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口)
- 月が変わるごとに、このサイクルの開始日がずれる
このため、新暦(現在のカレンダー)では、同じ曜日だからといって毎月同じ六曜になるわけではありません。
六曜が特に重視される場面
六曜は、以下のような場面で特に重要視されることが多いです。
1. 結婚式
- 大安が最も人気があり、結婚式場も予約が取りづらい
- 仏滅は避ける傾向があるが、最近は安くなるため気にしない人も増えている
- 友引も「友を引く」ので縁起が良いとされる
2. 葬儀
- 友引は「友を引く」とされるため、火葬場が休みになることが多い
- 仏滅は「仏も滅する」とあり葬儀には関係なさそうだが、特に忌みはない
3. 引っ越し
- 大安に引っ越す人が多い
- 仏滅は避けられることが多いが、費用が安くなるため気にしない人もいる
4. 開業・契約
- 大安に行うと縁起が良いとされる
- 仏滅は避けられがちだが、最近はあまり気にしない企業も多い
六曜の歴史と由来
六曜の起源は、中国の「六壬時課(りくじんじか)」という占いに由来するとされています。日本には鎌倉時代末期~室町時代に伝わり、江戸時代には一般に広まりました。
しかし、明治時代に政府は迷信を排除するため、六曜を公式の暦から除外しました。それでも人々の間では根強く残り、現在でもカレンダーに記載されることが多いです。
現代の六曜の考え方
現在では、六曜を信じるかどうかは人それぞれです。
- 気にする人:結婚式や葬儀、引っ越しの日取りを六曜に合わせる
- 気にしない人:「迷信の一つ」として特に気にせず行動する
- 部分的に取り入れる人:大安の日を選ぶけれど、仏滅でも割引があるなら気にしない など
また、最近では仏滅でも「物滅(ものが滅びて新しくなる)」としてポジティブに捉える考え方もあります。
まとめ
- 六曜は、日本の暦に記される吉凶の指標で、「先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口」の6種類がある
- 冠婚葬祭や引っ越し、契約などで意識されることが多い
- 旧暦を基にして決まり、新暦では日付がずれる
- 迷信として考える人もいれば、縁起を担ぐために活用する人もいる
六曜は「占い」ではありません。その時の出来事を「どう解釈すべきか」の基準です。
そもそも起こった出来事に良い悪いはありません、あるの「解釈」です。その瞬間は悪い、嫌だなと思う事柄でも長い目で見れば解釈を変える事は可能です。『人間万事塞翁が馬』
ですからその瞬間は悪いと思っても悲観せず、良いと思っても楽観しすぎにないよう、常に中庸を保つ為に六曜はあります。
六曜はあくまで参考の一つとして、自分の価値観に合った使い方をすると良いでしょう!
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