江戸時代から伝わっている養生法の一つに五味の調和と呼ばれるものがある、五味とは酸味・苦味・甘味・辛味・塩辛味の五つでこれらの味の食物をバランスよく取ると健康になるという考えです。
この五味の語源は中国最古の医学書『黄帝内経』に由来します。
その書によると、体が味をうまいと感じるのはそれを必要としてるからで
「酸味を取り過ぎると、肉が萎縮して唇が渇く」
「苦味を取り過ぎると、皮膚がカサカサして体毛が抜ける」」
「甘味を取り過ぎると、骨が傷んで髪の毛が抜ける」
「辛味を取り過ぎると、筋が引きつって爪が涸れてくる」
「塩辛味を取り過ぎると、地が粘って顔面の光沢が無くなる」
と教えています。
これらを額面どうり受け取るのは難しい気もしますが、『黄帝内経』がまとめられた2000年以上も昔に、塩の取りすぎと血液の関係が指摘されているのは興味深いですね。
また理屈抜きにしても五つの味のバランスが取れていれば現代の栄養学からみても優れた食事になることは間違いありません。
実は漢方では味は食事だけでなく薬でも重視されています。
煎じている時からにおいが心地よく、服用した時もうまみを感じるような薬は良く効くとされています。うまいと感じる薬は体が必要としているということです。
もちろん例外もありますが漢方では必ずしも「良薬、口に苦し」というわけではりません。
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