観相家が辿り着いた運命判断の基本とは

観相学の水野南北 温故知新 東洋医学養生訓
観相学の水野南北

水野南北は江戸中期の観相の大家である。
観相とは人の人相や容貌、骨格からその人の性格や運命を判断する術のことで、これを習得する為に南北はあらゆる努力をした。
風呂屋で働いて客の全身の相を観察したり、墓守となって死人の相を観たり、諸国を巡歴して観相学の道を究め、その奥義に通達しようとした。
が、いくら研究しても解らない事があった。貧窮短命の相を持っているにも関わらず、なかには裕福で長命な者がいることである。
南北はこの謎を解くために伊勢神宮へ参拝し、断食水垢離の荒行をした。
七日の行を果たした時、南北はついに霊感を得て大悟した。
「食は命なり、運命なり」と。
南北はこの時以来、運命判断の基礎を食の問題においた。
食の慎みと乱れが命の長短を決め、その人の運命を支配すると説くようになった。
これは観相家としては型破りな発想であったが、南北の人間観察がきわめて科学的であったことを物語っている。240年たった現在、彼の悟りが真理だったことが疫学調査によって正しかったことが裏付けられるようになったからだ。
食品とガンの発生には密接な関係があり、脂肪の多く含む贅沢な食品を過剰に摂取すると発がんの引き金になり命を短くする事がわかっている。
米国へでは1990年からデザイナーズプログラムという食品によるガン予防の研究に取り組んでいる。
その計画中でガンを防ぐ食品として大豆が脚光を浴びている。
興味深い事に南北が最も健康関連の食品として挙げていたのも『大豆』だった点である。

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