唾液は大切な病気予防薬

唾液は古来より大切なものとされていました。
中国の明代の『寿新養老書』や唐代の『千金方』等の医書はいづれも「つばきを飲んで臓器を養え」と教えています。
江戸時代の儒学者 貝原益軒も
「津液は一身のうるおいなり、化して精血となる。
草木に精血なければ枯れる大切なものなり。
津液は臓腑より口中に出る、惜しみて吐くべからず。」と述べています。ここの津液とは唾液のことです。
つばを吐くのはマナーに反しますが、そんなことより吐くのはもったいないと益軒は忠告しています。

現在では確かにそのとおりで、人間には耳下腺・顎下腺・舌下腺と三つの唾液分泌腺がありますが、この中の耳下腺から唾液中に分泌される
“バロチン”と呼ばれるホルモンには老化防止の働きがあります。
バロチンは歯・骨・筋肉・血管さらには細胞をくっつける接着剤の役割をはたす結合組織を強化してくれます。年齢とともに歯や骨、血管や肌が衰えてきますがバロチンはこれらの組織を若々しく保ってくれます。
ですから、バロチンの分泌を促すためにもしっかりよく噛んで食事をするのがよいでしょう。
そしてまた、よく噛むのは脳の老化を防ぎますし、食物を細かく咀嚼することにより胃腸への負担も軽減し胃腸の調子が良くなることも間違いありません。

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